N-BLOG [FantaSEAmo #2]

音楽とか、ディズニーとか、何でもないのとか。楽しいことが大好きです。

RIP SLYME 『10』

RIP SLYME

10th Full Album

『10』

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1年10か月ぶり、そして10枚目のアルバム、その名も『10』。

今回は特にコンセプトを設けず、「いいもの」を作っていったアルバム。

10枚目という事でジャケットもめでたい感じだし、オフィシャルサイトもポップだし、こりゃ華やかなリップらしい“パーティー”感満載の1枚になっているんじゃないか。

 

そう思って1周目を聞いてみると…ただ華やかでポップな訳じゃないぞ、そして最近のアルバムとちょいと傾向が違うぞ、という感想。

確かに『JUMP with chay』や『Vibeman feat. 在日ファンク』はライブで飛んで盛り上がれる曲に仕上がってます。

それより自分が感じたのは、オトナな遊びになったリップ。

 

楽曲ごとの詳しい解説や、音楽的なレビューは公式他のサイトのを読んだ方が数十倍いいので、ご覧になってください。

 

 

まずアルバム1枚の流れとして、DJ FUMIYAの言う通り、「1曲1曲の完成度はどれも高く、なおかつ風通しは良い」というのを感じます。

 

これは個人の好みもありますが、前作『GOLDEN TIME』は中盤のラップにこだわらない楽曲群が、ややアルバムの流れを損ねているかな~という印象がありました。

今作でも中盤にメロウなナンバーが置かれていたり、インストが挟まれていますが、どれもアルバムの1曲として、決して「やってみたかった」で終わっていません(勿論前作もただ遊んだわけでは無いのですが)。単体でもいい曲でありながら、アルバムの1曲としても機能している。

そしてその「1曲」としての味付けが、単独で聴いても楽しめ、でもアルバムの流れの邪魔にならない絶妙な塩梅になっている。

 

 

メロディーがお化粧されていない、ビートを刻むトラックに、メンバーがラップを魅せる楽曲『Powers of Ten』で幕が上げたと思えば、一気にゆるりとまさにピースフルな『ピース』、ややエロくもポップで様々な音が盛り込まれた『POPCORN NANCY』が続く。と思ったら再び骨太のトラックの上で自らについて歌う『KINGDOM』。

 



POPCORN NANCY』はMVも面白い仕上がりになっているので是非。



 

5曲くらい聞いただけでも、やっぱリップって楽しいけど、色んなことやって技巧派でもあるのが分かると思います。

後半に『JUMP with chay』『Vibeman feat. 在日ファンク』とライブ盛り上がる事間違いなしの楽曲が並んでいるのも、10枚目の余裕かも。

 

↓何だかシュールな『JUMP with chay』のMV。

 

メトロポリス』『時のひとひら』辺りの、比較的スローなナンバーでは特に、ただ綺麗でメロウなだけでは終わらない、10枚目のリップを感じることが出来ます。

 

 

自分の中で、「街の中で、歩きながら聴いていて、ちょっと空を見上げたくなったり、踊りたくなる」曲やアルバムは良いっていう、勝手な基準があるんですが、それをどちらも満たしています。

全体的にリップの円熟味が感じられる、どこをとっても美味しいけど、1枚通して聴くとより美味しい、そんなアルバムです。

 

 

ここ最近の作品だと、『FUNFAIR』は何だかアルバムとしてのまとまりと流れに欠ける、『JOURNEY』は生音への実験が多くてややのりきれない、『STAR』(個人的に名盤だと思っています)はコンセプトが強くて入りにくい、『GOLDEN TIME』はどこか物足りない、、、

そんな人にもおすすめです。

 

 

久々のホールツアーも予定されています。

ファイナルは武道館。久々の1万人の箱で、リップのパーティーがどう行われるのか。

『楽園ベイベー』『One』『熱帯夜』は知ってる、そんな人でも楽しめちゃうのがリップのライブだと思います。

是非そこに加え『10』『Good Times(ベスト盤)』を聴いて、新年を祝いませんか?

日本武道館公演:2016年1月9日(土)&10日(日))

 

 

 

アルバムの中で一番好きな楽曲…『Vibeman feat. 在日ファンク』

在日ファンクも好き、というのもありますが、単純に盛り上がるでしょこれ!

そして何よりリップもカッコいいけど、フィーチャリングの在日ファンク、というよりハマケン(浜野謙太)がめちゃキレてる!音源でここまでカッコいいハマケン久々ってくらい、語りもシャウトも歌も全部美味しい。

FUMIYAのトラックにホーン隊の華やかさが加わって、とても楽しい楽曲です。でもややエロです笑。

因みに次点は『KINGDOM』かなぁ…『メトロポリス』と競ってます。

 

 

<オマケ>

ただ今回のアルバム、唯一と言ってもいい欠点が…フィジカル!

初回限定仕様はデジパックになっているのですが、CD1枚分のプラ土台の厚みしかないもの。つまり、歌詞カードがただ挟まっている状態、ということになります。

保管時は、購入時の袋に入れたままなら問題ないのですが、ついポイッと外袋を捨ててしまうと、やや面倒なことになります。(袋は開閉が楽な弱粘ノリのものです)

コブクロのALL SINGLES BEST(1の方)の初回盤と同じ感覚です。

 

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また歌詞カードがシンプルすぎるかなぁ…ジャケットの色んな要素が散らばっているのをイメージしたのですが、黄色模様バックに黒字で見やすく印刷されているのみ。

初回仕様が通常と同じ価格とはいえ、ライブ映像が期間限定ストリーミング仕様のため、もう少しフィジカルとしての楽しさがあったら良かったかな~なんて。

 

でも初回盤のみ見れるライブ映像、まだVibemanしか見れていませんが、これだけでも必見です。是非。

 

 

肝心の楽曲自体はいいので、CD屋で購入するもよし、フリークでない方は是非レンタルや配信系などで聴いてみてください。

それでは。

 

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